[映画の感想]ペンギン・ハイウェイ

前置き

 

森見登美彦先生が

平成22年に執筆した小説「ペンギン・ハイウェイ」を原作としたアニメ映画

2019年8月17日から全国で公開されてます。

 

この原作、当時森見先生大好きだったぼくぁ新品で買って読みふけって

うおぉ面白れぇ!!2年後にはきっとアニメ化とかするわ!!!

って、友人に言いまくってました。8年掛かったけど、まぁまぁ目に狂いはなかった。

そんな風に予想していたのも、森見登美彦先生の小説は若者中心に大人気で

アニメ化された作品で言えば「四畳半神話大系」が湯浅監督の元

めちゃくちゃ斬新な演出と映像でアニメ化していてノリに乗ってる時期だったというのがあります。

その時期にわかりやすく、さわやかで全年齢対象でボーイミーツガールと。

どらえもん映画の様な安心感がある作品を出してきたので

作者や出版社も映像化を期待してたんじゃないかなーって妄想してたんですね。

 

 

アニメ映画はいま、ポスト宮崎駿を争う戦国の時代を迎えていて

石田監督は、長編映画は初めてだけど、佐藤順一ARIAたまゆら)を

アドバイザーにおいたり、プロの声優ではなく、役者の人を声優起用させて

主題歌は宇多田ヒカルのニューアルバムに収録されている曲とタイアップと

もろにポスト宮崎駿を意識した気合入りまくりの映画で

アニメ映画ヲタクはそこそこ注目してます。多分。

 

 

ネタバレありの感想

はーー。いい映画だったなぁ。すこ。

 

こんな感じ(小並)

 

主人公のアオヤマくんと、その想い人のおねーさんがくっそかわいい。

アオヤマ君は小学生なのにめちゃくちゃ頭がよくて

理路整然と物事を考えている男の子。

プールの授業中いたずらでパンツを脱がされても

「ここで恥ずかしがったら、いじめっ子の思うつぼだな」

と、冷静に分析して堂々とフルチンでプールサイドに上がってパンツを取り返しに行ったりする。すごい奴。

だけども、おねーさんのおっぱいのことを1日30分は考えて悶々として

そのことを恥ずかしいことと思わず「おっぱいはすごい」とか

お父さんに見てもらっている研究ノートにも書いちゃったりするやっぱりすごい奴。

 

主人公のアオヤマ君の視点が中心となって話が進んでいくんだけど

スカッとする性格をしているから見ていて退屈しなかった。

むかつくいじめっ子が出てきても、3分後くらいには復讐したり、

かえってラッキーな展開になるので見ててフラストレーションが基本溜まらない。

そんな小学生の日常をぼーっと見てる中で不思議なことが

1つ2つ3つと、どんどん増えていくんだけど、

持ち前の頭脳と行動力を持ってアオヤマ君とゆかいな仲間たちで

答えに向かって一歩一歩研究して進んでいきます。

 

実は、ゴリゴリのファンタジー映画なんだけど

ファンタジーじゃん!!って分かるのが終盤。

は?CMとかPVでコーラの缶をペンギンに変えてるし

バリバリファンタジーじゃん??って感じると思うんだけど

まぁ見ればわかる。思ったよりファンタジーなんだよ。

序盤からコーラをペンギンに変えたりするシーンとかは

ファンタジーの気配はするんだけど、主人公のアオヤマ君が

研究してこの謎を解くぞ!!って言ってちゃんと分析して

現象の謎を科学で解こうとする大筋があるので

「あ、これから分かってくるのね」っていう説得力があり

実際に順を追ってその謎が解明されていきます。

だから、手の届かない程の超常現象ではないっぽいぞ。

少なくともこの映画の世界観では。みたいな。そんな気がしてくるんです。

 

あーこれファンタジーじゃんって分かったころには

物語が結構盛り上がってるのであとはスカッと見れます。

そこらへんのちゃぶ台返し感が原作は結構うまく描かれてたんだけど

映画はそこを忠実に再現してました。だからよかった。満足でした。

 

全編を見てるうえで、唸る部分と言ったらなによりも

中盤の終わりで、不思議現象のなぞを解き明かすんだけど

このなぞの真実が結構残酷でこれ解いちゃったら悲しい奴じゃんって分かる場面。

ここまでハートフルだったけど結構せつねぇ終わりじゃないか?

って予感させて来るんですが、その期待通り結構切ないおわりになります。

出会いがあれば、別れもあるんだなーって、夏休みがおわっちゃうなーって。

そんな感覚を思い出させてくれます。いい話だなぁ。

 

とにかく、映像と音楽にはこれでもかってくらい気合入ってるので

没入感はあります。ただ、すごーっくフラットに物語が進むので

レイトショーとか仕事終わりに見ると眠くなる可能性は否めません。

 

お休みの日の、午前中とかに早起きして見に行って

お昼からは水族館や動物園でもいってペンギンをみて、物語のその後に

想いを馳せたりするのがいいかもしれませんね。

 

映画見て、面白かったらぜひ原作も読んでみてください。

映画なんか見る暇なかったら原作読んでみてください。

満足度はどっちも保証します。

 

p.s.

おねーさんの話を書こうと思ったんだけど、オネショタ最高過ぎるンゴねぇ。で終わる話を800文字くらい描いてしまったので消しました。